三年味噌作りに挑戦!(現在11ヶ月目)
食の選択基準
第一:おいしい
第二:心身が喜ぶ
第三:本物
先ずは旨いのは絶対条件である。
その上て心が喜ぶ美味しさであると同時に身体に元気になること。
続いて、国産の良質素材で、伝統的な製法でつくられた
本物がよい。
つまり食養生的によいものを選ぶ。
私はほぼ毎日、朝夕と味噌汁を食べている。

野菜へのこだわりも大事だが調味料のこだわりの方が重要。
その中でも摂取頻度の高いお味噌はいいものがよい。
出来れば自分で作りたい。
幸運にも昨年三月に、安曇野で味噌を作る機会を得た。
毎年、こだわりの味噌を作っているグループがあり
そこに参加させていただいた。
元々こだわりの味噌を作っていたようだが
更に食養生的にこだわりたく協力してもらえた。
(須長さんありがとう)

2012年4月3・4・5日に味噌を52?仕込む。
味噌の10数パーセントを占める「塩」を何にするかは超重要である。
塩の専売制当時からこだわりの塩を40年も作り続けている
小渡さんと食事療法士辻野が理想を追い求めて作った
自然海塩の「うみたま」を使用した。
うみたたま
http://www.umitama.net/このことにより、市場には流通していない
食養生的にも最高級のお味噌ができることになるかも!
ただ、リスクがある。
にがり(ミネラル)の多い自然海塩だと
相対的に殺菌作用のある塩化ナトリウムの割合が減る。
特にうみたまはにがりを多く残している。
つまり、カビるリスクが高まる。
そして、見事にカビた。

ちなみに5月頃、一緒に作った人たちからカビたとの報告があり
我が家もカビを取ろうかと味噌小屋に入り見てみた。
その際、きれいな色のカビがわんさかと繁殖していた。
あまりの勢力に、カビを取らずに蓋をした。
それか夏を越し冬になり、
先日、ついにカビを取って味噌を味見してみようと
蓋を開けた。

どうやら、春夏には表面の5ミリから、場所によっては数センチほと侵食して
繁栄して、冬に沈静化したらしい。
3樽合計3.8?(7.3%)ほど、カビ達に提供したことになる。
金額にして2,400円程(原材料のみでの)
泣く泣く、上部の味噌を捨てると
かわいい「うみたま味噌」が出てきた。

そして、さっそくお味噌汁にして味見をした。
(一番上の写真:自然濃の玄米と小豆ごはんにと一緒に)
結局夏に天地返しもしなかったので
熟成が甘いせいかまだ、まとまりがなく個々が主張していいた。
それでも、麹の甘味がやさしく
とても豊富なミネラルがまろやかさを出しており美味しくできていた。
三年味噌にするためには
ここはまだ通過点。
2年後が楽しみだ。
さて、今年の春夏はどうなることやら。
今年は木樽に仕込もうかな。
以下は味噌作りのこだわりに関する詳細です。
こだわり味噌に興味のある人だけどうぞ。
****************
味噌を熟成させる麹菌は嫌気菌といい空気に触れない方がよい。
そして、表面を覆っていたカビたちは好気菌なので
表面の塩分濃度がカビの繁殖に影響を与えるという仮設を立て
表面に自然海塩をまぶしておいた。
3樽あったので
塩なし、塩かぶせ(100g)、しっかり塩かぶせ(200g)
の三種類で実験。
結果はどれもカビた。
多少の勢力の差はあったものの。
それぞれラップをかぶせていたが
1つだけ内蓋付き(塩かぶせ)のものがあった。
これは心なしか侵食が浅かった。
それに加えて細長いので空気に触れる割合が少ない分
カビに提供した味噌も少なかった。
26?中1.27?(4.9%)

考えられる原因は2点
・そもそもの塩分濃度が足りなかった。
・仕込みが4月だったので、麹菌が味噌を熟成させる前に
温かい季節になったためカビ菌に負けてしまった。
この辺りを踏まえ
今年仕込むのは調整をしよう。
具体策としては
仕込みを早めの時期に行う。
自然海塩の場合は更に塩の割合を増やす。
そして須永家流にクマ笹で表面で覆うとか
細長い樽を利用するなど、改良の余地は多々ある。
あとは伝統製法という点では
木樽にも挑戦したい。
そもそも食養生的な味噌へのこだわりを説明したい。
よいお味噌を選ぶ際に難しいのは
何が良質素材なのかという点でもある。
味噌の原材料は
「大豆」、「麹」、「塩」、「水」
食養生で重要視したいのは「一物全体食」の素材かどうか。
「大豆」:丸大豆(油を絞った後の脱脂大豆とかではない)
これは市販のものでもほぼ問題ない。(醤油は丸大豆か脱脂大豆かの注意が必用)
「麹」:麹菌とお米を混ぜあわせ、味噌用に麹をつくる。
一物全体食の観点からは「玄米麹」が好ましい。
(ただ、玄米だと難しい。米は麹菌の餌として蒸したもの使うため
白米の方が麹菌は楽に繁殖でき米麹が作りやすい。)
「塩」:塩は雑菌の繁殖を抑えるため味噌が保存食として腐らないためには
10数%は必用。それ以外にも麹菌の働きや出来上がりの味にも大きく影響する。
味噌には結構大量の塩が入っており、この塩が自然海塩か精製塩かで
まったく異なる。
「水」:良質の天然の湧き水がよい。大豆や米を倍ほどに浸水させてから作るので
これまた結構な割合である。
そして今回は
味噌作りの主催者である鈴木さんの無農薬・無化学肥料にて大豆を作っている。
米麹はなんと、米麹づくりから自分たちで行なっていた。
しかも玄米で!!
塩は私のこだわりを快諾していただき
にがりを残している自然海塩「うみたま」を使用。
そのため、うみたまを特別社販価格で使っても
味噌の原材料費が1.5倍になった。
(元々、鈴木さんの好意で大豆や玄米などは超低価格にて提供いただいていたので
塩の占める割合が増えた。大豆等が相場提供だったら1.2・3倍ぐらいかな。)
水は安曇野のおかげで蛇口から北アルプスの天然水がでてくる。
それを須長さんが持ち込んだ浄水器で塩素を除去。
•2012年のうみたま味噌作りスケジュール
3月17日(土)13時〜夕方……大豆の選粒
4月3日(火)13時〜夕方……麹の米蒸し、種付け
4日(水)10時〜夕方……大豆の蒸しとつぶし
5日(木)9時〜12時……つぶし大豆、塩、麹の計量、混合 各自桶へ詰め込み。
5月半ば カビを見て見ぬふり
12月頭 カビの沈静化を確認、確認をすぐに蓋を閉じる。
2月18日 ついに味噌小屋から出してカビを取る。試食!